2018年01月16日07:00
天空の城ラピュタの不思議なエロス・前編
http://blog.livedoor.jp/okada_toshio/archives/51543878.html

 では、「天空の城ラピュタの不思議なエロス」という話を語って行こうと思います。
 みなさん、「『ラピュタ』にエロいシーンなんか、あっただろうか?」って思ってるでしょうけど、実は、あるにはあるんです。

 このシーン、覚えてますか?
(パネルを見せる)

 これはドーラ一味の飛行船である“タイガーモス号”から切り離されたパズーとシータが乗った凧が、
 なんとかラピュタにたどり着いて、二人で「やったー!」と言って抱き合って、ゴロゴロと芝生を転がっているシーンです。
 このシーンについて、『Cut』というオシャレ雑誌の本当に長いインタビューの中で、インタビュアーの人が、
 宮ア駿に対して「私は『ラピュタ』の中で1シーンだけ、納得できない部分があります」というふうに言っている部分があるんです。

 今日は、その引用部分を持ってきました。これです。

(パネルを見せる。以下、『風の帰る場所 ナウシカから千尋までの軌跡』より引用)

――実は僕は『ラピュタ』に不満が一つあって。主人公二人がラピュタに着いて、「ここはラピュタだ!」って喜ぶじゃないですか。
で、そのときに紐でつながれてるわけですけど、二人で転げ回って、普通ならこれはキスするだろうっていうところまでいきますよね。顔を見合わせて抱き合って。

「いや、僕はそういうことはしなくても、十分あの映画はやってると思ってるからいいんです、もう(笑)」

――やってるって(笑)、なにをやってるんですか。

「だって、凧に乗ってるところでね――いや、そういうことを口に出して言うの辞めなさいって言われたことがあるんですけど――
アニメーターが描いてきた絵を見たらね、揺れてる中でシータがパズーに後ろからかじりついてる場面なんですけど、かじりついてないんですよ。
ちゃんとね、娘の胸の膨らみをこの少年は感じてるんだって、だから毅然としているんだって。そういうことを考えないで描いてるだろうって言ったら
『あっ、そうっすね』って言うから(笑)、『そう思い込んで描け』って言ったら、一生懸命描いてましたけど」

――そんなエロティックな映画なんですか、あれは。

「いや、僕はそういう箇所をわざと忍び込ませたいんじゃなくて、やっぱりそういう気分を持ってなければ映画って描けないはずですから。
やっぱりファッションとして描くとね、『宇宙戦艦ヤマト』のように、抱き合ってるんだけど、二人ともこっち向いてカメラ目線になって、
お互いに顔を背けてんのかなって言うようなね(笑)」

(引用終わり)

 はい、というように、何かを説明するときには、必ず他所の作品の悪口を言いながらするのが宮ア駿なんですけども(笑)。
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