>>265
なぜこんな大きなものを作ったかというと、庵野秀明がすごいこだわったせいなんですよ。
庵野秀明はその頃、ウルトラマンは大好きなんだけど、いくつも嘘がある。
その典型的な嘘が、ウルトラマンがジェットビートルを持った時の大きさだと言ってました。

ウルトラマンがジェットビートルを持つシーンで、ジェットビートルは
いわゆるミニチュアっぽいサイズになっています。
でも違うだろ!と言うわけです。

ウルトラマンの身長40mから換算すると、ジェットビートルはかなりデカくないとダメだ。
こういう部分で嘘をつくから、子供だましになってしまう。
だから俺がちゃんと作る『帰ってきたウルトラマン』は、
きちんとスケール合わして作りたいって主張したんですね。

ところがちゃんとウルトラマンにスケール合わせてMATARROW1号を作ると、
1メートルくらいになっちゃう。庵野の身長が約175cmだから、
ウルトラマンの身長設定の30分の1とか28分の1です。
そのスケールで現用機のジェット機作ったらとんでもない大きさになるんです。
一抱えくらいの大きさになっちゃうんですよ。

実際ミニチュアは1mくらいあってですね、
ものすごく大変だったんですけども、作りました。

庵野のデザインでは、完全にその当時の現用機、それも海軍機F-4Jのファントムあたりの
機首が下がった感じで描かれています。
これもネットにあるからいくつかみてもらえばわかります。

六神合体ゴッドマーズとか、超時空要塞マクロスとかもそうだったんですけど、
あの当時のカッコいいアニメの戦闘機というのは、全部機首が下がり気味でした。

庵野もそういうふうにデザインしたんですけど、この写真のミニチュアを見てわかる通り、
紙でその下がった機首を再現するのは無理だったので、わりと下半分が平べったい感じになってます。

僕はこの感じが好きだったんですけどね。