>>788
岡田:
 ところが、日本においては、親が子供に「お金 = 決定権」を与える。
 なんでヨーロッパ人が子供にお小遣いを与えないのかというと、お金というのはパワーであって武器であるから。
だから、「子供に武器を与えるバカはいないよ。だって、10ドルというお金は、大人が使っても子供が使っても同じ価値なんだから。
そんな危険なものを子供に与えるなんて、ちょっと日本人はおかしいんじゃないのか?」っていう発想になる。

みなもと:
 だけど、店のおばちゃんが「あんたはこれを買っちゃいけないよ」とか、そういうコミュニケーションがあったからね、日本にはね。

岡田:
 で、一応、自分のこの仮説が正しいんじゃないかと思った事例があるんですけどね。
 フランスの婚姻制度で“事実婚”が認められるようになったんです。そして、フランスは年金を貰うようになったおじいちゃんおばあちゃんが、
子供にお小遣いをあげるようになった。つまり、20年くらい前から、実はフランスもお小遣い文化に突入したんです。
すると、面白いことに、フランスでは今、日本のアニメブームが起こっている、と。
 つまり、子供に意思決定権が与えられた国のみで、コミックや漫画の文化というのが広がるんじゃないのかと。

みなもと:
 面白いな。それはありうる。それはありうる。
 まあ、戦前の漫画は“親が与えていたもの”だったから、お上品な漫画ばっかりだったということもあるし、それは、ある程度は認める。

岡田:
 やったー!
 ……いや、「やったー!」ではないんですけど。さっきのみなもと先生が仰った、「そんなもん、俺が背景を決めるんだ!」というのと同じように、
「俺の仮説に文句は言わせねえ!」というのが正しいんですけども。
 否定されると、なんとなく心細いので(笑)。
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この記事は『岡田斗司夫ニコ生ゼミ』8月20日(#192)から一部抜粋してお届けしました。

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