>>787
みなもと:
 「昔、おとっつぁんが子供を喜ばせようと思って、家の壁にディズニーキャラクターを描いて訴えられた」
というので問題になった事件があったわね。
 でも、「それが問題になった」ということと、「おとっつぁんがそれを悪気なくやった」ということからわかる通り、
その前の時代では、そういうことが許されていたはずなんだ。
 だから、それもね、割合、最近になってからのことであって、基本的なものとは言えないと思うな、俺は。

岡田:
 一応、トーレン・スミスが言うには、「フランスを見てみろ!」と。
 「彼らには“パロディー法”という法律がある! 国家としてパロディーを容認している! だから、フランスやベルギーでは、
バンド・デシネというコミックが盛んである! つまり、何かあったら、まずパロディーを描くとか、
コピーするということを認めた上での創作があるからこそ、日本は豊かなんだ!」って。

みなもと:
 それも、俺はイヤなんだ。「パロディーを描いてもいいよ」なんて言われた時点で、
「そんな“他人から許されるもの”なんて描くかい!」と思わなきゃいけないんです。
 俺が『ホモホモ7』を描いたのは、当時、“漫画の描き方”みたいな本が出て、
「この絵にはこういう背景を描きなさい」と書いてあるのを読んだ時に、「バカか貴様ら!」と思ったんからなんですよ。
 どんな絵にどんな背景が書こうが、そんなことをてめえらに言われる筋合いねえ!
漫画家が自分で考えてそれをやるのはいいけれど、「こう描き“なさい”」だって? ……バカかっ! って。

岡田:
 反骨魂ですね(笑)。
・・・
岡田:
 じゃあ、3つ目の説ですね。
 ……この、どんどん否定されている流れで言うのはイヤなんですけど、岡田斗司夫の「おこづかい文化説」。
 つまり、アジア圏、特に日本だけが“子供にお小遣いを与える文化”なんですよ。
 基本的に、ヨーロッパとかアメリカでは、子供が漫画のような自分の好きなものを買う時は、親に頼んで、親が買い与えるものなんです。
つまり、親が許可したものだけが与えられるようになる。

みなもと:
 日本でも、戦前のお金持ちの家はそうだけどな。