沼津駅高架化「異論ない」 市長答弁に市議会騒然

静岡県沼津市議会2月定例会の一般質問が6日始まった。
JR沼津駅周辺鉄道高架事業で「中立」から推進に転じた大沼明穂市長は、有識者による検証委員会を開かない理由を「自己検証し、沼津が元気になるため必要と理解したため」と答弁した。
また「高架事業の効果に異論を唱える人はいないのではないか」との発言に対し、満席の傍聴席から「間違っているぞ」など批判のヤジが相次ぐなど、騒然とする場面もあった。

大沼市長は昨年11月の市長就任当初、有識者による検証と市民の意見を聞いた上で高架事業の賛否を判断する、としていた。

高架反対派の山下富美子氏(未来の風)の質問に、大沼市長は「自己検証したため」と答弁。
市議会鉄道高架特別委員会の議事録閲覧▽県有識者会議の議事録閲覧▽県が住民に意見聴取したパブリック・インボルブメントの検討結果などを列挙し、
「さまざまな角度から十分に議論されている。公平公正で説得力のある検討がされた。市が改めて検討を行うべきではないと考えた」と説明した。

しかし、これらの議論は、いずれも昨年の市長選以前に終了している。
山下市議は「答弁になっていない。市のかじ取りができず、羅針盤がぐるぐる回っている」と憤慨した。

一方、大沼市長は事業推進の理由については「民間投資を呼び込み街の活性化になる。南北市街地が一つになりより楽しめる街になる。定住人口、生産年齢人口の増加につながる」と説明。
高架推進派の鈴木秀郷氏(市民クラブ)の質問への答弁では、「効果は明快で異論を唱える人はいないのではないか」と発言し、市長選で支持を受けた高架反対派を切って捨てた。

http://mainichi.jp/articles/20170307/k00/00e/010/149000c