>>317
不二子とクラリス
http://livedoor.blogimg.jp/okada_toshio/imgs/d/7/d7f039e2.png

 これですね。
 Cパートでクラリスと不二子が直に会話するシーンがあるんですよね。

 それで「あの方をご存知なの?」というふうにクラリスが聞くと「ウンザリするほどね」というふうに不二子が答えます。
 「時には味方、時には敵。 恋人だった事もあったかな」と言って、「彼、生まれつきの女たらしよ。 気をつけてね」
というふうに不二子が言うと、クラリスが「捨てられたの?」と心配そうに聞きます。
 すると不二子は笑って「まさか! 捨てたの」というふうに答えます。

 ま、すごい大人っぽい やり取りなんですけども。
 「恋人だった事もあったかな」と言われて「別れたのか」と思った瞬間に、クラリスには「捨てられた」しか思い付かないんですね。

 男女が対等の存在であって、自分が あの “おじ様” と いつかは言い合いをするような関係になるって事が
まったく思い付かないので、「飽きられて捨てられた」しか思い付かない。

 これが「この時点でのクラリス」の限界なんですけども。

 「自分が、いつかルパンを捨ててしまう」という可能性を、最初(はな)っから思いついて無いんですね。

 で、ここのシーンで最初は予定に無かった不二子を登場させる事で、
クラリスは もう一人の 「あったかもしれない自分」の未来に出会うわけですね。

 ルパンの影(シャドウ)であるカリオストロの伯爵と同じように、実は峰不二子はクラリスの将来のシャドウ。
 「もし、本当にクラリスを連れてっちゃったら、どうなったか?」という形で出ているんです。
・・・
 では、もう一つの可能性ですね。
 ルパンがカリオストロに残っちゃったら どうなったのか?

 二つ可能性があるんですよ。
 つまり、「ルパンがクラリスを連れて行ったら どうなったのか?」という事と、そうじゃなくて ルパンが残ったらどうなったのか。

 そんな可能性が無いって事は無いんです。
 実はそのシーンがラストにあってですね。

落ち込むルパン
http://livedoor.blogimg.jp/okada_toshio/imgs/7/3/730a8f38.png

 最後に「なんと気持ちのいい連中だろう」って おじいさんとかが言ってるときに、ルパンはフィアットで ものすごい落ち込んでるんですね(笑)。

 全然 晴れ晴れとしていないんですよ。
 これは「あなたの心です」の後なんですよ(笑)。

あなたの心です
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