それは「口だけ対策」の無効性と、もはや対策を必要としない(コロナに
事実上勝利した)ということが意図的に関係付けられてしまうという地獄
のような事態となって現れるだろう。

規則破りが次々に露呈し何の実効性もないことが発覚した組織委の「口だ
け対策」によって、コロナによる犠牲者の予防的実効性は次のように理解
すべきであることが明らかとなった。

心からの対策(実効性最大)<口だけ対策の無視<口だけ対策の遵守(実
効性最小)

なぜそうなるのかと言えば。口だけ対策を遵守しようとするストレスで犠牲
になる生命よりも、口だけ対策を無視した振る舞いでコロナの犠牲になる生
命のほうが、はるかに少ないという統計上の数値が出てきたからに他ならな
い。
ただし、為政者にとってこの事実は、口だけ対策の無用化=経済対策の最大
化を許容するものとして利用できることとなるので注意しなければならない
のである。

為政者は、きっと、東京五輪終了後に、(口だけ)対策の無用性と経済対策の
最大化の必要性をアピールしつつ、それ以前にも増して弱者の切り捨てを企図
するであろう。地獄の開幕である。

ゆえに、われわれは、つねに、口だけ対策の無用化を上回る実効性ある対策を
忘れてはならないのである。
それは、東京五輪だけに限って言えば、その開催を即刻中止することなのだ。