【スノーボード】平野歩夢part1
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――ジャッジに悔しい思いをしたという声もある大会でした。一晩経っていかがですか?
悔しい部分は当然ありますが、結果はいくらやっても変えられないので。五輪だからこそ
もっと細かいところを見てほしいという部分も当然ありますが、素直に受け入れなければいけないと自分でも分かっています。
金メダルを目の前にして、取れたのに取れなかったという形で銀メダルになってしまいました。
もちろんそれもすごく大きいことだと思うんです。あとはこれをどう生かしていくかだけなので、
うまく自分の今後につなげられればなと思っています。
https://iwiz-spo.c.yimg.jp/im_siggaQnqa.hxgKT6_mgImWngYA---pril-x640-y470/c/sports/text/images/2018/0215/201802150009-spnavi_2018021500043_view.jpg
金メダルがその手からすり抜けた瞬間、平野はそっと座り込んだ【写真は共同】
――結果が出た直後は「ショーンが過去一番の滑りをした」と語っていました。その後に映像を見直したりして心境に変化があったのでしょうか?
いや、最初から自分の悔しい気持ちもありました。でも(試合直後は)いろいろなメディアの方もいて、
ああだこうだと言うのも変じゃないですか。
自分自身に対して悔しい部分もあるし、スノーボードをずっと何年もしているので
細かい部分について言わせてもらえば、こうだったのかな、なんていう部分もあります。
でも表面的には(淡々とした)表情で受け答えをしなければいけないと思って、そこはわりと割り切っていました。 ――五輪イヤーには多くの報道陣に囲まれると思います。私自身も含めて、競技について
熟知していない人も増えてくると思います。そのなかで平野選手は、たとえ質問がずれていても、
ご自身でかみ砕いて、本心で答えているように感じました。簡単な受け答えで済ますこともできると思いますが、
そこまでして伝えようという理由はなんでしょうか?
いろいろな人の気持ちや意見を聞いて受け入れることも、自分の成長になるのかなと。
いろいろな人を見て、いろいろな人と会話して、この人はこう思っているけど、周りはこう思っていて、
と感じることは、あらためて自分を見つめ直すために必要だと思っています。
周りの人の意見も聞きながら、自分の本心を貫くにはどうしていけばいいのかと考えながら、
コミュニケーションを取るようにしています。
人にはそれぞれ人生があって、それは否定したくありません。
自分をぶつけられる場所はスノーボードしかないので、そこでは自分がやりたい矛先と意思を
しっかり持ってやれればなと思います。 ――ソチ五輪の銀メダルで一挙に注目を集めるようになったとき、平野選手はまだ15歳でした。
「このおっさん何言ってんだ?」と思った時もあったのではないでしょうか?
当然ありましたね。中学生でしたし右も左もまだ分からない年ごろで、正直スノーボードしか知らないただの少年でした。
嫌なものは嫌で、「何言っているんだろう」と本音では思っている部分はあったんですけど、
でもそういうことを何回も繰り返すうちに、そこから何か吸収できるものなのかなって逆に思うようになったんです。
嫌なものは自分が知らないからこそ嫌なのであって、それを良い方向で吸収することは可能なのかなと考えるようになりました。
そう変換できるようになってから、スノーボードでも自分の生活でも、嫌なことに向き合って、
嫌な練習に向き合っていけるようになったのかなと。
自分のやったことのないことでも手を出してみること。そして、そういう嫌な感覚に慣れてみること。
人と話すうえでも、スノーボードでも生活でも、すべてを共有させることで、
自分自身がもっと大きい土台で成長できればなと思っていました。
この4年間でちょっとずつそういう変化があって、自分の考えのベースがだいぶ大きく変わったのかなと思います。 ――14日の決勝ではUSAコールが起こるなど、まるで米国ホームのような雰囲気でした。
X GamesやUSオープンとなればその比ではないのでしょう。
アウェーとも言えるなかで戦い続けるのは大変ではないですか?
スノーボードの大会はほとんど米国開催なので、
応援しているギャラリーは米国色が強くなることは仕方ないと思います。
僕らは数少ない日本人のなかで、さらに数少ない選手。
よっぽど「こいつはすごいな」と認めてもらえる滑りをしないと、みんなと同じレベルの滑りをしても、
点数が全然出なかったりします。
特に初めて海外の試合に出る日本人選手は、すごい不利というか、平等ではない部分があると感じたり、
悔しい思いをすることがほとんどだと思います。
ナメられている……じゃないですけど、どう思われているのか分からないですが、
人と同じ滑りをしても、そう見られちゃうだけなんで。
周りに興味を持たせるような、滑りもライフスタイルも「こいつは誰だ?」ってなるようにずば抜けていかないと、
海外で注目を浴びるのは難しいことだと思います。 ――かつては国内でも大きなプロツアーがありましたが、今は逆風が続いています。
日本で大きいプロツアーに出たいという気持ちはありますか?
ありますね。自分も家族もそうですけど、「日本でX Gamesをやってみたいね」とか、
米国のX Gamesをやるんじゃなくて、日本にX Gamesを作っちゃおうよって。
日本に外国人を呼んで、こっち主催でやりたいなと。そういうものが実現できればいいと思っています。
そのためには自分の実力と説得力と、周りの仲間が必要になってきます。
当然、それは難しいことだとは思うんですけど、アクションスポーツもそうだし、それ以外も横乗りを絡んだ形で大きいものをやりたいなと思いますね。 ――もしスケートボードで2020年の東京五輪に出ればホームの環境になると思います。東京五輪のことを想像しますか?
スケートボードで五輪に出たい、東京五輪に出たいというのは、それ自体が目的ではないんです。
自分の人生として、スノーボードをやってきましたし、またスケートボードもやってきました。
自分は人がやっていない道をたどりたいというか、何の足跡もないところを目指しているので。
スケートボードは次回が初めての五輪競技で、また横乗りで冬と夏の五輪に出ている人は今まで日本にはいないと思います。
両方に挑戦することで、「俺も夏も冬も目指すんだ」という大きい夢を子どもたちが持ってくれたら(うれしい)。
横乗りを目指す子どもたちは、両方目指すことで精神的な面でも強くなるだろうし、人間的にも大きい夢を追い続けられるし、
それ以外にも共有できる力を持てると思います。
スノーボードだけやっていたらやっぱり、五輪でダメだったら、次もその次も「金メダル」「金メダル」と言われ続けて、
すごい苦しいと思うんですよね。それは、そこにしか自分のフィールドがないから。スノーボードの調子が悪いから
スケートボードやってみようとか、スケートボードの調子が悪いからスノーボードやってみようとか、そうやって
変換するものがあったほうが、目指すことも楽だと思いますし。
夢を大きく持って、それを変換できるものを探しているので、そういう意味ではチャンスなのかなって。
まだ、やるやらないということは置いておいて、自分の考えていることをしっかりとまとめてから、
やると決まったら動こうかなと考えています。 ボードじゃなくてもいい、夢を持ってほしい
――スケートボード、サーフィンが五輪種目になったように、横乗りのカルチャーは以前よりも市民権を得るようになりました。
しかしまだメーンストリームとは言い難い部分があると思います。
今後どのように変えていきたいですか?
やっぱりサッカーや野球よりも全然(人気や規模の)レベルが下のスポーツなので。
でも、本当にそれくらいビッグで有名なスポーツに持っていくことは不可能ではないと思っています。
時間はかかると思いますが、自分がそのきっかけだけでも作って、下の世代にそういう意思を持ってくれる子どもたちが増えることで、
このスポーツの影響力を世界中に与えられたらなって。
そこに五輪を目指す若い子どもたちが出てくることによって、また夢も大きくなるのかなって思います。 平野歩夢 単独インタビュー
銀メダルを取ったいま、伝えたい気持ち
https://pyeongchang.yahoo.co.jp/column/detail/201802150009-spnavi
これ読んだんだろうね
↓
@いろいろな人の気持ちや意見を聞いて受け入れることも、自分の成長になるのかなと。
いろいろな人を見て、いろいろな人と会話して、この人はこう思っているけれど周りはこう思っていて、と感じることは、
あらためて自分を見つめ直すために必要だと思っています。 平野歩夢さんの発言。19歳の子に教えられた。惚れたよ、おじさんは。
立川 談慶 (落語家) https://www.youtube.com/watch?v=9D8PIDzYBU8
>アメリカスノーボード雑誌編集者
「彼のジャンプは並はずれてるわ とても高く上がって信じられないスノーボーダーよ」
>(五輪3位)スコッティー・ジェームズ
「彼は僕にとって一番恐ろしい競争相手だよ 試合に臨むときに僕を熱くさせてくれる
素晴らしいスノーボーダーだよ 見ていても素晴らしい」
>(五輪1位)ショーン・ホワイト「僕の一番のライバルだと思う」 https://www.youtube.com/watch?v=bfsPLYzdLkY
その存在を初めて世界に知らしめたのは、2011年3月に米バーモント州ストラットンで行われた伝統の一戦・USオープン決勝の公開練習中での出来事だった。
このとき、平野は12歳。初めての国際大会出場であり、初となる海外遠征でもあったわけだが、惜しくも13位とファイナルには進めなかった。
しかし、敗戦ライダーの中からえりすぐりの実力者のみが許される、決勝進出者の公開練習に混ざって滑るポーチャー(英語でPOACHER。
直訳では「(他人の土地への)侵入者」)ランの機会を得ることができ、
そこで目の肥えたオーディエンスらを熱狂させたのだ。
大人顔負けの高さで宙を舞う小学生ライダーの噂は、瞬く間に世界中に轟いた。
以降も順調に成長を続けるわけだが、11−12シーズンから12−13シーズンにかけて、平野は飛躍的な進化を遂げることになる。
「環境が変わりました。初めて米国に行ったときくらいから、カズ(國母和宏)くんやカール(ハリス氏。
國母や平野のエージェント)たちに面倒をみてもらうようになったり、夏に(マウント)フッドのサマーキャンプに行くことができたり、
ニュージーランドにも行かせてもらいました。今まで滑ったことのないパイプの感覚を得ることができ、
いろいろなトップライダーたちを見てきたことによって世界のレベルを理解したうえで、
何を練習すればいいのか分かったことが大きかったですね」
本当に中学3年か? と耳を疑うほど頼もしい答えに聞こえたのは、筆者だけではないはずだ 話をX GAMESに戻すと、
平野が放った大技はフロントサイド・ダブルコーク1080の1発のみ。
にも関わらず2位に入ることができた理由としては、トリックの難易度を凌駕するほどの圧倒的なエアの高さと、
パイプ内での動きすべてがパーフェクトな完成度を誇っていたからだ。その爆発的な高さの秘密でもある、
テイクオフからランディングにかけてのリップ・トゥ・リップのエア、そして、トランジションでのパンピングや
無駄のないボトムランといった基本の加速動作、
パイプライディング一連のベーススキルの高さが群を抜いていたということを特筆したい。
「小さい頃から(山形の)横根っていう小さいスキー場にあるパイプで、
ドロップインからラインどりの練習ばかりしてたんですよ。だから、けっこう身体に染み付いている感じはあります。
あとはスケートボード。パイプは抜けるとき(跳ぶまで)にどれだけ(テイクオフを)待てるかが重要じゃないですか。
スノーボードだとごまかせるけど、スケート(ボード)では絶対にできない。
着地してから見る方向とかも共通してるし、そういう練習を毎日続けてきました」
スケートボードのランプ(ジャンプ台)で跳ぶためには、リップ部分にコーピング(鉄パイプ)が設置されているため、
その手前でオーリー(ジャンプ動作)を仕掛けないとウィールが当たってしまう。
そもそもウィールしか接していないのに、そのギリギリの瞬間を狙ってオーリーを仕掛けることを意識しながら、
幼少期から滑り込んできたわけだ。
しかしスノーボードの場合は、スケートに比べるとミスできる許容範囲が数十倍以上あるということになる。
本インタビュー中に同席していたBURTONチームマネージャーの言葉を借りれば、
「彼にとってギリギリでテイクオフする動きは、呼吸と変わらない」とのこと。
だからこそあれだけの高さを生み出し、かつ、リップ・トゥ・リップで着地できる美しい放物線が描けるのだ。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています