今の韓国の受験生にとっては「随時」(推薦)こそが第一の目標、「定時」(試験)はそこから漏れた人の敗者復活戦的な意味合いになっている。「随時募集」の申し込みは9月で、1人6校までが応募可能だ。合格発表は10月半ば〜11月。そこで各大学は「随時」枠を埋める。この時点で学生のおよそ7割の進路が決まる。「定時」はその後に募集があり、試験は1月。随時で合格した子は応募できない。

さて、繰り返すようだが「随時募集」は学科試験がなく、「学生簿」(内申書)と、学科によっては「論文」「実技」「面接」などで合否が決まる。「学生簿」には高校時代の学業成績だけでなく、校内外での活動なども含まれている。大学側はそれらを「総合的に」判断する。つまり成績以外の要素が加わるわけだ。

それはたとえば、語学や科学分野での大会受賞歴(たとえば「数学オリンピックのようなもの」)、ボランティア活動、論文やプレゼンテーションなどのスキルも重要になってくる。要は「スペック」と「業績」である。

先ごろ法務部長官を辞任したチョグク教授の娘さんが学術論文の第一執筆者になっていたことが問題にされた背景には、この「学生簿の総合評価」がある。一般の学生にはたどり着けないようなスペック・業績を、特別な環境にある学生たちは手に入れることができるのか――市井の一般人はあらためて悔しく思ったのである。

↑まあ、推薦重視は不正の温床にはなりますけどね・・・