数学科
数学科に進学することは人生の多くのものを諦めるということである。言わずと知れた東大数学科の院試の難しさ、就職率の悪さ、学生間の関係の希薄さは言うまでもないが、加えて人間的な余裕をも諦めなければならない。
数学の抽象度は日ごとに増し、数学科生は日夜数学のことを考えながら生きていくことを強いられる。某教授に言わせれば、「数学を考えようと思って考えているうちは二流である。無意識の夢の中でも考えられるようになって初めて一流である」だそう。
そのような生活の果てにあるのは疲れ切った頭脳と荒廃した精神のみである。