>>551
『受験必要論』 林修(東進ハイスクール現代文講師)より

P.28
東大と例にとると、僕らの入試のときは受験生が1学年120万人いました。それが今では60万人くらいです。
それなのに東大の定員はほぼ変わっていないんです。当然入りやすくなっていると考えていいでしょう。

実際、最近は生徒の合否予想がよく外れるようになったんです。昔はまず、外れることはなったんです。
しかし、今は『彼は受かる』という予想はまず外れることはないのですが、
『彼は落ちる』という予想は本当によく外れるようになりました。受かってしまうんです。
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P.122
−そんな東大なのですが、いろいろな改革案が世間をにぎわせています。今何を改革すべきなのでしょうか?

推薦入学についていうと、これは後期入試の廃止と抱き合わせではないかと思うんです。
僕の極めて勝手な憶測ですが、東大は後期入試をやりたくないのではないでしょうか。
一般的にいうと、後期で入る学生は前期で入る学生よりも学力が落ちる場合が多いんです。

特に東大の場合には、入試問題が良質であることもあって、本当に優秀な学生は、まず前期で合格します。

むしろ、先にも述べたように『過剰に』合格にしている状況ですから、
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前期で落ちた生徒をことさら救済する必要はないと判断していたとしてもおかしくはないんです。

例外があるとすれば、あまりにも枠が狭い理Vに落ちて、後期で理Tや理Uに入るといったケースでしょうか。

あえて繰り返せば、受験生の数は我々の頃から半減しています。
にもかかわらず定員が3000人のまま変わっていないんですから
クオリティを維持するのはそもそも困難な状況です。

東大の前期試験は、しっかり作られていて、
やや学力の低い学生が、枠の広さもあって受かってしまうことはあっても、
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優秀な学生が落ちるということはまずありません。

そういう試験で、定員3000人のうちの90〜95%くらいは選抜して、残りは違う基準で入れるという柔軟性はあってもいいでしょうね。
このくらいの人数(150〜300人)を前期試験で取っても、結局下位層の合格者が増えるだけですから、
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それならば他の基準で選んだ方がよいのでは?ということです。