合格率が高いことが評価されるのは受験板学歴板的な視点に限定され、実際に社会で役立つ出身校閥としてのパワーは純粋に絶対数が物を言う、ということは認識しておくべきであろう。

開成は、合格率を誇る灘や筑駒の倍近いスピードで東大卒のOBを量産しているわけで、就職時、就職後のアドバンテージが高い。

出身高校名が役に立つ、というのはまさにこういうことだ。いくら合格率が高かろうが、高校名が大学に入れてくれるわけではない。

上の方で、開成から東大に行けずに早慶云々、という話が出てきたが、開成から早慶に進学した生徒こそ、実は非常に就職に強いことが知られている。

これは有名企業の採用担当者に開成OBがいる率が高いことに加え、開成が他の進学校と比べても特にOBの結束が強いことによるものだろう。

このような場面では、例えば開成卒かつ慶応卒という学歴は、それぞれのOBの結束力からみて最強ともいえる。

一度、開成会のホームページを見てみるとよい。「国会議員・外務省開成会」を筆頭にあらゆる地域・職域に開成会が組織されており、その組織力に驚くだろう。これが「数の力」である。

それに対し、合格率という数字が、一生徒となった後にいかに意味がないものか。大学受験は自分一人で戦わなければならないが、社会では組織で戦うことができる。率ではなく、数で選べ。人生の大先輩からの忠告である。