面白い研究結果があったので紹介したいと思います。

"Correlations between entrance examination scores and academic performance following admission"というタイトルで
Juntendo Medical Journalに掲載された論文になります。
(He, et al. Juntendo Medical Journal. 2015. 61(2), 142-148)
掲載雑誌名からもわかる通り、順天堂大学医学部のチームによる研究です。

研究デザインは次の通りです。
2004年から2006年に順天堂大学医学部に入学し、ストレートに卒業した132名を対象に入試成績と入学後の成績相関について検討した。
(各科目の成績は100点換算し、相関をPearsonの積率相関係数により算出した。)

その結果、入試英語の成績は入学後のほとんどの科目の成績と有意に正の相関を示していたのに対し、
入試数学の成績は入学後の多くの科目の成績と負の相関の傾向がみられていたとのことです。
(この場合の正の相関とは入試成績が良いほど、入学後の成績も良いという意味になります。負の相関はその逆です。)
入試科目全体平均の成績や理科の成績は入学後の成績と大きな関係がないようだとも言っています。
(正の相関を示す科目もあれば、負の相関を示す科目もあり、バラバラであった。)

驚きですね。
数学がデキる学生ほど大学の成績が悪い。
というのは。。。

ただ、一つ注意したいのは入試数学と入学後の成績の負の相関は傾向というだけであって、統計的に優位な結果ではないということです。
(一方、入試英語では基礎医学・解剖学・臨床医学・CBT・前臨床実習・国家試験の成績において統計的有意差が出たとのことです。)