例えば、理の親の意向を尊重する形で天理の学校に行った理の子がいる。
卒業後は就労したいが、天理教からスカラシップを付与されていたために、
就労は許されない。
しかし約束通りに卒業後に天理教施設で数年奉仕していては、
せっかく学校で学んだことの意味が半減する。
理の子としては一回きりの人生だから、
周りを説得してスカラシップを返還してでもやりたい仕事につきたかった。
しかしそのためにはスカラシップ返還のための手続きをしなくてはならない。
それには実の親と理の親の印鑑がいる。
しかし彼の説得と熱い意志に対して理の親は「契約だから」の一点張りで
話も聞かない。
実の親は理の親に依存しているために、「理の親がだめならダメ」という回答しか
得られない。
そして彼が選んだ道は「行方をくらます」という方法を選んだ。
行方をくらますと言っても、逃げたのではない。
自分のやりたい仕事(社会貢献という意味では立派な仕事である)を
親の支援なしに選んだのである。
スカラシップを許可する天理教本部の部署に
「私の理の子は卒業後に天理教関連で奉仕します」と約束していた
理の親は天理教関連施設で奉仕させるという天理教本部との約束を反故することに
なる。