これは正直言って質が悪い。
「あまりよくないんだけどな〜」というのは、悲観的な思考が身体化してしまうと、
悲観的事実を渇望してしまうということである。
悲観的事実が起こることが自己の存在を証明するということなのだから。
東日本大震災で半年が経ったが、
震災の支援なのに生き生きした人を見なかっただろうか。
「今こそやらねば!」という人はあちこちで見かけた。
そして、それが被災者との最大の壁であると私は言った。
それは被災地に「ひのきしん」で赴いた天理教人も例外ではなかろうかと思う。
そのメンタリティは、自己の存在を形成する上では非常に脆い。
代表的な話に「消防士は火災を渇望する」というのがある。
火災なんて起こってほしくないが、起こらないと消防士の存在意義が無くなる。
そして火災が起これば消防士は日々の訓練の成果を発揮できると
生き生きとするのである。被災地に行った天理教人が、
帰ってから生き生きと被災地の様子を誇らし気に語っている表情を私は忘れられない。