進化の過程で、名門校は3つの共通する特徴を備え
ていくという。1つめは、自由であること。校風が
自由、ということに限らない。未熟な生徒たちに
「できるだけ自由に」「できるだけ信じる」という
姿勢で自由に触れさせ、試行錯誤し、ときには失敗
することで、生徒が勝手に伸びていく下地をつくる。

 2つめは、「ノブレス・オブリージュ」が息づいて
いること。この言葉の意味は「恵まれた者はその恵
まれた環境を最大限に活かし、自分の能力を最大限
に開発する義務がある。そうして得た大きな力を社
会に還元することが、恵まれた者の使命である」と
いうものだが、生徒は名門校という長い年月で培わ
れた好環境で高めた力を社会に還元できる瞬間、母
校を誇りに思うと同時に深く感謝する。母校への恩
返しも積極的に行い、名門校がいっそう恵まれた環
境として育まれていく。

 3つめは、反骨精神が継承されること。いずれの
名門校も、時代に翻弄されず独自の信念ともいえる
建学の精神や校風を貫いてきた。その気骨が生徒に
宿り、社会にイノベーションをもたらす人材へと成
長させ、後輩たちの憧れになると共に勉学等への奮
起を促す。