公立中高一貫校の存在意義は、子どもや保護者の中学校の選択肢を増やし、
中高一貫の6年間という時間の中で、ゆとりを持って独自の教育を
深めることだと思う。
ただ現実としては、中高一貫校は大学受験を考える子どもが選ぶもので
各地の公立中高一貫校でエリート化が進んでいる面が強いが
これはある程度、当然の結果と言えるだろう。
日本の公立学校の教育システムでは、エリート養成を基本的には
認めていないのが現状だ。
私立学校にはそれぞれの理念があり、エリート教育も
あっていいが、公立では認めてはいけないという考え方が根底にある。
こうした公教育のとらえ方に一石を投じたのが公立中高一貫校の
制度なのだから、エリート化は必然だったと言えるだろう。
実際、議会や教育委員会だって公立中高一貫校は
公金が投入されている以上、進学実績などの結果を求めてきているわけだし。

公立中高一貫校がより多くの家庭(特に私立中を受けるには
経済的に厳しい家庭)に選択の機会を提供することになったという
事実は大きい。中高一貫校反対派はその辺を理解しなければいけない。