信用毀損罪や業務妨害罪は、嘘の情報を拡散することによって成立する犯罪です。ではもし拡散した事実が真実だった場合には何の犯罪も成立しないのでしょうか。

たとえば、本当に料理に虫が入っていたのでネットの口コミサイトなどでそれを拡散したような場合です。

本当に料理に虫が入っていた場合は、「虚偽の風説」ではないので業務妨害罪や信用毀損罪にはなりませんが、「名誉毀損罪」という犯罪にあたる可能性があります(刑法230条)。

名誉毀損罪は、何らかの事実を示すことによって、法人などの社会的な名誉を毀損した時に成立する犯罪ですが、摘示される事実が真実であるかどうかは問いません。

そのため、虫が入っていたというのが本当のことだったとしても、名誉を毀損した場合には名誉毀損罪に当てはまる可能性はあるのです。