データ野球で21世紀枠候補 滋賀・膳所高に分析専門部員


 第90回選抜高校野球大会(3月23日開幕、甲子園球場)の21世紀枠近畿地区候補校となった滋賀の膳所が、26日の選考委員会での吉報を待っている。
県内屈指の進学校である同高は春夏計5度の甲子園経験もある古豪。今回出場すれば、1978年夏以来40年ぶりとなる。
21世紀枠は全国9地区の代表から3校が選ばれる狭き門だが、独自のスタイルで久々の甲子園を目指している。
 同高は1898年創部。甲子園には1959年までに春3度、夏は72、78年の2度出場している。
昨秋は県大会準々決勝で敗退したが、近畿大会で4強入りした近江に1−3と善戦した。
 学業最優先で授業時間は長く、練習は短時間集中。冬場は基礎体力向上に励み、週末に琵琶湖の砂浜や近くの公園で走り込む。
 独特の取り組みが、選手でもマネジャーでもない、分析担当専任部員の存在だ。昨年4月、上品充朗監督(48)の発案で募集したところ新入生2人が手を挙げた。
プロ野球広島のファンという高見遥香さんは各校のデータ収集を担当。公式戦で打者ごとに打球の方向をチェックし、グラウンド全体を198分割した図に書き込む。
 野津風太さんは打球の位置を入力すると自動的に図へ変換するプログラムを作成。集めたデータのデジタル化も進めており、
上品監督は「データを駆使することで選手が持つ技術以上のプレーができる」と話す。
 捕手の石川唯斗主将は「傾向がつかめていると守りやすい」と手応えを感じている。選手の好反応に高見さんは
「やりがいがある。今後は自分たちのチームのデータ分析にも取り組みたい」と話す。
選考委員会が目前だが、選手は落ちついて練習に励んでおり、石川主将は「夏につながるよう普段通り練習するだけ」と淡々と語った。

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