2016.3.19 05:00 産経新聞
灘、筑駒、麻布など有名校がなぜ? 唯一慰安婦記述の中学歴史教科書「学び舎」、30校超で採択
http://www.sankei.com/life/news/160319/lif1603190015-n1.html
 同社の歴史教科書は平成16年度検定以降、中学校教科書で各社が一切採用しなかった慰安婦に言及し河野談話も
取り上げた。当初、申請した教科書では強制連行を強くにじませながら大きく取り上げたが、不合格とされた後、
再申請の際に大幅に修正した。
南京事件では中国人の証言を採用するなど手厚く記述する一方、北朝鮮による日本人拉致事件では各社が特集などで
記述を盛り込む中、年表で「北朝鮮から拉致事件被害者の一部が帰国する」とだけ記述している。
 文部科学省によると、同社の歴史教科書の採択数は全国で約5700冊(占有率0・5%)。業界では「参入組に
とって障壁が特に高い教科書業界では異例の部数」(教科書関係者)と受け止められ、「執筆者らの人的ネットワーク
で採択が広がった」(業界関係者)との見方もある。

 一方、義務教育の教科書を配布するための教科書無償措置法では、採択理由を公表する努力義務が市町村教委や
都道府県教委と同様に国立中や私立中の校長にもあるが、奈良教育大付属中以外は「取材を受けない」などと回答。
私立では灘中が「検定を通っている教科書であり、理由を公表する必要はないと考えている」。麻布中は「回答を
控える」とした上で「慰安婦の記述で選んだということは全くない」とした。
 学び舎は産経新聞の取材に対し、「難関校を対象とした編集方針はまったくありません」とし、教科書の執筆者と
採択校との関係についても「執筆者の個人情報に関することはお答えできません」と回答した。
 執筆者の中には、安保法制の廃止を求める声明を出すなどしている「歴史教育者協議会」(東京)に所属する
元教師らもいるとされる。