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八海堂新聞 コラム もう一つの甲子園
まずは地区予選、全道大会と勝ち抜き甲子園切符を手にした札幌南高校ナインにエールを送りたい。
しかしその栄光の陰にもう一つのドラマがあった。
札幌市立旭丘高校である。全校生徒中男子生徒59名。そのうちの18名が野球部員である。
中学校では硬球どころかバットやグラブを手にしたこともなかった生徒たちである。
かつては東西南北に次ぐ市内五位の進学校だった時期もあるが、今は女子スポーツのメッカと言われ勉強よりも運動で名を馳せている。
そんな旭丘にも男子生徒はいる。その数少ない中から今年も新チームが地区予選に参加した。
札幌月寒高校との一回戦では20対0のコールド負けであったが、ナインの瞳は清々しかった。
「女子高などと陰口をたたく他校を見返したかった。結果は勝負なのでしかたがない。力を出し切ったと思います」
キャプテンの栄王子君はそう語り唇の端をかみしめた。
今や北大合格者数でも後塵を拝する月寒高校に一矢報いたかったのであろうが、勝負の運は非情であった。
来年こそ二十年ぶりの地区大会一回戦勝利を成し遂げてほしい。
記者は心からそう思った。