https://www.nhk.or.jp/shutoken/chiba/article/015/51/
「福田村事件」を伝え続ける人たち
現代の我々に問いかけるものとは

関東大震災からことしで100年。
発災直後、「朝鮮人が井戸に毒を入れた」などと流言が広がり、
多くの朝鮮人や中国人が殺害された。一方で、日本人が殺された事件をご存じだろうか。
「福田村」、現在の千葉県野田市で、幼児や女性を含めた9人の日本人が朝鮮人と間違われたことなどをきっかけに
地元の自警団に殺された事件である。事件の引き金となったのは、震災直後の混乱の中、
募る不安や怒りから生まれた「流言」だった。長くその詳細は語られてこなかったが、
いま、様々な形で伝え継ごうとする人たちがいる。その思いとは、そして、今を生きる我々に問いかけるものは何か

福田村事件は、関東大震災から5日後の1923年9月6日に起きた。当時、震災直後に「朝鮮人が井戸に毒を入れた」などと
流言飛語が飛び交う中、各地では自警団が結成される。
福田村でも、消防団や在郷軍人などから構成された自警団が結成され、村内の警戒にあたっていた。

一方、香川県から薬の行商に来ていた15人の一行がいた。一行は家族や親族で行動し、福田村を訪れていた。
村を流れる利根川から対岸の茨城県へ渡ろうと渡船場に行ったのち、
近くの神社の鳥居に6人、そこから30メートルほど離れた水茶屋のベンチで9人が休憩していた。
すると自警団がやってきた。「見かけない者だ」と一行を囲む自警団。団員の中には、
一行を朝鮮人だと疑う者もいて、これをきっかけに一行を襲い、9人が殺害された。略
https://i.imgur.com/vScJVsL.jpg