俺は負ける気がしなかった。その2人とは学生時代によく対戦していたが、一度も負けたことがなかったからだ。まずはAとBの対戦。2人は相変わらず下手で、泥仕合の末、なんとかBが辛勝した。そして次の試合。俺とAの対戦で異変は起きた。

開始早々、先制点を挙げたのはAだった。俺はどうせまぐれだろうと思ったが、何かがおかしい。先程まで素人同然だったAがオフサイドトラップやワンツーパスを駆使しているのだ。前半終了間際、今度はFKを直接決められ0-2。後半に1点を返すも、終盤PKを与えそれがダメ押しとなり結果は1-3。

Aはこの日のために相当やりこんでいたのだ。

続くBとの対戦。俺は絶対に負けられない試合だが、少し嫌な予感がした。その予感は見事的中し、試合が始まるとBのプレーは最初の試合とはまるで別人のものだった。BはDFの穴に的確にマニュアルパスを通し、蓋を開けてみれば俺は手も足も出ず0-4。

俺はまんまと2人に嵌められたのだ。