333です。ありがとうございます。
初投稿で至らない点もあるかと思いますがこの場をお借りします。
私が過去に実際に体験した話になります。

今から10年程前の出来事です。
その日、私は遠征のため一人で都内のビジネスホテルに宿泊していました。
シングルで予約していましたが、ベッドも大きく一人で過ごすには広々としていた記憶です。

その晩は0時過ぎに布団に入りました。私は寝つきが悪く、しばらくの間モゾモゾと寝心地の良いポジションを探していたのですが、とある瞬間私の身体は凍りつきました。

『バンバンバンバンバンバン!!!!』

壁を掌で叩く音がしたのです。
最初は隣の部屋の宿泊客が酔っ払って暴れているのかと思いましたが、耳を澄ますとその音は部屋の内側から聞こえてくるように感じました。壁から伝わる空気の振動と言えば良いのでしょうか。それが内側から感じられました。
私はこれまで心霊体験をした事はありませんでしたが、父はよくその手の実体験を話していたため、もしかして私も…? でも今更…? こういうのってもっと多感な時期に体験するものでは…? いやまだ心霊現象と決まったわけでは…? と、思考が繰り広げられる間も壁を叩く音は鳴り続けていました。

次に私の思考を止めたのは、新たな音。

『あぁ〜……あぁ〜……あぁあ〜……ッ!』

初老の男性のような呻き声が聞こえてきたのです。絞り出すような、乾いた声。とても苦しそうです。天井から聞こえてくるように感じたのを覚えています。流石に怖くなり頭まですっぽり布団をかぶりました。

(続)