小4くらいの頃、風邪をこじらせて自室で寝かされてた時。
ベッドで寝てるのも飽きて体起こしてぼんやりしてた時、変なものが視界の端に写った。目で追うとなんか小さいオッサンみたいな変なのがいる。それも数体。
言葉が不明瞭でなにを言ってるのかは分からなかったが、俺を指さして声かけてくるので多分話しかけられてるんだろうと思い「なに?」と返事をした。
オッサンたちは急に騒ぎ出し、俺のベッドの上に落ち葉をまき散らし始めた。慌てて止めようとしたものの小さいオッサンたちは素早くて止められない。
あっという間に俺のベッドの一角に落ち葉溜りが出来上がってしまった。
気付けばちいさいオッサンたちはさらに増えており、十数体の小さいオッサンたちが何事か喋っていた。その内1人のオッサンが俺の手を引いて落ち葉をゆびさす。
オッサンたちを観察していた俺は、彼らが落ち葉に絵を描き裏返していたのも見ていた。
「もしかして神経衰弱?やんの?」と聞くとオッサンたちは頷いて俺の手をさらに引く。どうやら一緒にやろうと誘われているらしい。
どうせ暇だったので付き合うことにした……ものの、これが驚くほど難しい。まずカードが落ち葉という時点でムズい。量が多いというのもあるが、葉をひっくり返すとほかの葉が動いて場所が変わる上、オッサンたちは葉の上を歩いている為さらに混ざる。
1ペアも作れないでいると、オッサンたちが踊り始める。どうやら一定数以上のペアを作って上がり、というルールらしくオッサンたちはどんどん踊り始める。
煽り行為か?とイライラしつつ落ち葉の神経衰弱を続けているうち異変に気づく。オッサンたちが減っている。というか上がったオッサンたちが消えていっている。
は?と思いつつもオッサンたちはどんどん上がっていき、消えていく。そんな勝ち逃げありかよとか思いながらも引き止めようとするも、オッサンたちは消えるスピードすら早かった。
どんどん人数が減り、最後の1人も俺に手を振っていなくなり。気がつけば落ち葉も小さいオッサンも跡形もなく消えていた。
って事があったなと