30年ほど前にあるキャンプイベントに参加した時のことです
山奥のキャンプ場で川遊びをしていると、頭上から悲鳴が聞こえてきました
私と同じ五年生の男の子が、木の上から叫んでいたのです
奇妙なことに、彼は幹に背中が引っかかったような姿勢で、手足をバタバタさせていました
引率の大学生が木に登り、助けに行くと、男の子はさらに高く登っていきます
エレベーターに背中を挟まれたまま登っていくようでした

その異様な姿に恐れをなしたのか、大学生は木から降りて助けを呼びました
その頃には男の子は木のてっぺんで泣き叫んでいました

駆けつけた大人によって男の子は無事に下ろされました
そこから離れた広場に全員集められました
みんなパニックになっていました
大人たちは管理棟に行き、引率の大学生が私たちを囲っていました
するとさっきの木のほうから何が落ちる音がして、白いもの転がってきました
動物の背骨でした

キャンプは中止になり私たちは山を下りました