荒れてないこの時間帯だから言えること。

線香花火は過去に人気のあった霊能者数名の手法を盗用している。模倣じゃなくて、盗用。
そのうちの一人に関しては、実際そこから流れてきて線香花火に心酔していたことを公言した人もスレにいたようだし大体の察しはつくと思う。

過去に人気があった人々の手法を表面だけ真似ただけで、己の力ではないから、早々と襤褸が出てしまった。
中身のない物真似で分不相応の注目を浴びて、のぼせ上がってしまった。
それでも本人がそこから何かを見いだせたなら良かったけど、そうにはならず、堕ちに堕ちて、あっさりと自滅した。
己に秀でた才や華がなくても、他者から慕われ、尊敬され、崇拝されるネットならではの快感を覚えてしまったから、今更引くに引けなかった。

途中で性格の当て方を四字熟語に変えると言い出したのは、ボキャ貧の問題もあるけれど、本質はそこではない。
背伸びして本当は見えていないものを見えていることにし続けた結果、綻びが出てきてしまったから。
簡単に言えば彼女の中の人物像のストックが切れてしまったから。
元々彼女は生身の人間との対人関係を築くのが苦手で、豊富とは言えない実在の人物、二次元のキャラ、ネット上に落ちている赤の他人、様々なプロフィールからヒントを得て、それを《霊視》に用いてきた。
だが新たにストック補充する気力はない。そこまでする必要はない。だからストックはやめて、辞書に頼ることにした。
辞書を適当に開いて、使えそうなものをランダムにチョイスする。そんな作業と、メインディッシュの仲間との仲良しトークで、これからも楽しい線香花火ライフが続いていくはずだった――。

一つ壊れたら全て壊れた。元々、薄っぺらい紙で出来た台に、たくさんの借り物を装って美しく見せかけたハリボテだったのだから壊れるのは当然だった。