>>173
またあの声が聞こえてきた。
中年男性が叫ぶみたいな声。
俺はユウタと全力で走って逃げた。
パッと後ろを振り返るとやっぱりあいつがいた。
異様に長い手足に紫がかった頭、
離れていてどこを見てるか分からない小さすぎる目。
そしてとても速い。四足歩行とは思えない速さだ。
2人で全速力で走ったが撒けるはずもなく…。
四股と同じく異様に長い、そして所々膿んでいるような気持ち悪い手指が視界に入った。
捕まった。
俺たちを絞めるように抱えて山奥へと向かうバケモノ。
俺たちはどうなるんだろうか。