ファンタジー漫画『葬送のフリーレン』の魔族について。
主人公は千年以上生きているエルフの女性(ロリババア)で、かつて邪悪な魔族の王である「魔王」を討伐した勇者パーティーの一員だった天才的な魔法使い。
魔王討伐から100年後、既に勇者も天寿を全うし、過ぎ去りし時と共に英雄たちの存在が風化して「おとぎ話」となっていく世界の中で、永遠に均しい命を持つエルフ族である主人公は自由気ままな旅を続けていた。
ある時、主人公が弟子を連れて人間の都市を訪れると、街中で「魔族」と出くわす。

この作品世界における「魔族」の定義とは、一言で言えば「喋る魔物」のことを示している。
元々は知性の無い人食いの“魔物”であったが、人類に近い知的生命体へと進化し、人語を介すようになった存在のことを示す。
しかし、魔族へと進化しても「人食い」であることには変わり無く、そんな邪悪な魔族の「王」だったのが「魔王」である。
すなわち、人類にとって魔族とは仇敵。

なので、主人公は突発的に魔法の杖を取り出し、攻撃魔法で目の前の魔族を殺そうとする。
しかし、街を護る人間の近衛兵によって取り押さえられてしまう。
近衛兵の話によると、どうやらその魔族は長年に渡って人類に抵抗を続けていた「魔王軍残党」の使者であり、今日は「人類との和平交渉」のために来ていたのだという。
しかし、主人公はその話を全く信じず、「魔族は人の姿をした獣だ。共存なんて有り得ない」と主張する。
素性を明かさなかったため、要人を暗殺しようとしただけでなく侮辱までしたとして、主人公は投獄されてしまう。
弟子が面会に訪れ、どうしてあんな事をした上に暴言まで吐いたのかと主人公に問う。
主人公は過去の経験を語り始める。