■日本人は自分が世界の先進国で、世界中の人が日本にあこがれ、日本を尊敬し、日本を見習いたいと思っていると、勝手に思い込んでいるようだ。

僕は、南米ブエノスアイレスでも、夜中に二時間もホテルを捜してさまよったことがある。
この時は、少なくとも10軒は断られ続けた。
部屋がないわけではないのだから、単純に東洋人に対しての人種差別だ。

北部アフリカのチュニジアでも、ホテルは出来るだけ東洋人を泊めないらしく、部屋があるにもかかわらずフランス語で「コンプレ(満室)!」と何度も断られた。
南米を旅行していると、子供たちから「チーノ、チーノ」と声をかけられてからかわれるのは、誰もが経験あるだろう。
チーノとは文字通りでは「中国人」という意味だが、僕が「ソイハポネス(僕は日本人だよ)」と言ったら、「だったらチーノだ」と言われたので、
チーノとは東洋人一般を馬鹿にした言い方のようだ。

LAでも、普通に生活していると、本屋でも、レストランでも、日本人を馬鹿にしたような態度をされることがある。
ユニバーサルスタジオの「アニマルショー」で、昔、客がどこの国から来たか呼びかけて、客が大声で「ハーイ!」と返事をしていたが、
日本人が随分いたのに、日本人だけが呼ばれなかったこともある。

日本人は自分が世界の先進国で、世界中の人が日本にあこがれ、日本を尊敬し、日本を見習いたいと思っていると、勝手に思い込んでいるようだ。
しかし、そう思っているのは日本人だけで、実際は、日本人は、世界中で馬鹿にされ、差別される立場だ。
日本人は、黒人差別はよくないと言うが、実際はアフリカでは、黒人が日本人を差別している。
僕はケープタウンのホテルでいじめられたこともあるし、ジンバブエのバスの中で、黒人の酔っ払いに日本人を馬鹿にしたことを言われて、絡まれたこともある。

世界の観光地、カリブ海になると客はほとんど欧米人だ。
そこに場違いな東洋人がふらふらと迷い込むと、欧米人観光客からも、ホテルのスタッフからも、現地の黒人からも差別を受けることになる。
僕が2004年に行ったT&T(トリニダードトバゴ)では、インド人からかなり冷たい扱いを受けたよ(涙)。

日本人は東南アジアでは大きな顔をして金をばらまいていても、馬鹿にされている。
バンコクでも欧米人には「サー」と返事しても、日本人には「ミスター」と返事をするという。

世界中で日本という国のプレゼンスはとても小さい。
海外のニュースで紹介される日本は、相変わらず「東洋の奇妙な小国」というステレオタイプなんだしね。
世界中ほとんどの人は、日本が一流国だなんて思っていないし、日本人なんて、誰も気にしてはいない。

http://midokutsu.travel.coocan.jp/racism/experience.htm