前の会社にいた時。年末の忘年会で上司が飲み過ぎて潰れた
ぐったりとしたんで、タクシー呼んで数人で救急病院に運んだ
費用は俺が立て替え、点滴を打って貰っている間に急患がドンドン運ばれてきた
後で知ったんだが、多重事故があり患者が振り分けられてたらしい
看護婦に言われて、上司はベッド毎奥のブースに移動。何かあったらナースコールを。と言われベッド周りのカーテンが閉められたが、声を掛けるのも戸惑う状態
医師も看護婦も殺気立っていて、声を掛けてくれた看護婦の笑顔が怖かった。
でも空気を読まない奴はいるようで、カーテンを引かれた近くのベッドからナースコール。
新人らしい医師が見に来るがすぐに帰っていく。ナースコール。見に来る。ナースコール。
何度か繰り返す内に、年配の看護婦がキレた。
ナースコールに「先生、行かなくて良いです!」とぴしゃり
どかどかとそのブースのカーテンを開けて
「ずっと死にたかったんだろう!念願叶ったんだ、大人しく死んどけ!生きたい人間の邪魔するな!!」と怒鳴った
薄くカーテンを開けて様子を見守ってた俺達に気づくとニッコリ笑って
「点滴、まだ掛かりますね。確りついていてあげて下さいね」
そしてどかどか帰りながら「手を動かす!!!」と一喝

俺は正直、少し漏らした。その後はナースコールも鳴らなくなったのが余計に不気味だった 
処置後の上司は、別の上役が付き添ってその日はホテルに泊まった
「俺は独り暮らしだからな。今日は家に帰るより、看病してた方がマシだ」とは上役の言
年明けの初詣は全員で念入りにお参りに行った。その後は何事もないけど、色々怖い年末だった