216です
古い話だから台詞は大体こんな感じって記憶で書く
俺の中学のクラスメイトがそこそこ名門の女子校に進んだ
弓道やりたいと入学したはずなのに文芸部だか漫研だかに入って腐女子になっていた
そいつが自称霊感持ちの一人(仮にM)
そいつの学校は修学旅行で沖縄行ってひめゆりの塔で讃美歌を歌う慣わしだった
修学旅行の後で文化祭があり招待された俺がそいつを訪ねると様子が変だった
うわごとのようにふわふわした口調で喋る(いつもはアナウンサーばりの歯切れの良い喋り)
段々ヒステリックになり奇声を上げた
そいつの先輩方が部室に押し込み椅子に座らせた
それでも暴れるので椅子に縛り付けた
部長が俺に「あの子修学旅行でひめゆりの塔に行ってからおかしいの」
「あー霊感あるって言ってましたからね」と俺が返すと
「ひめゆりの乙女を連れて来ちゃったのよ。女性が憑いてるのが見えるもの」

俺は返事に困った
薄暗い部室で椅子に座るMの顔の横にうっすらと人の顔が見えていたのだが、どう見てもワイシャツを着た40代のオッサンなのだ
戦争の時代よりずっと後の新しいやつに見える
俺が見間違えてるのか腐女子軍団が見間違えてるのか判断はつかない
部長「戦争で苦しんだ乙女が助けを求めてるのよ」
俺「そうかも知れませんね(オッサンが苦い顔してるだけだが)」
部長「乙女が人を苦しめて悪霊になったら嫌だし」
俺「そうですね(冴えない痩せたオッサンだが)」
部長「除霊してみる。慣れてるの私達」
俺「お願いします(おいオッサン適当なところで離れてくれよ)」
その後先輩方が何やら呪文みたいのを唱えてMの背中を叩きまくってMが落ち着きを取り戻して終わった
除霊出来たとは思えないがオッサンも小娘に叩かれて呆れて離れたのかもしれない
今頃女子校を彷徨ってるかもな
実際は乙女かオッサンだったかは分からんし俺が見たのが幻覚だったかも分からん