二階に上がって照らして見ると、件のダッチワイフ以外にカビ臭いだけで普通に何も無いようなので、
そのままベランダのある和室部屋に入っていった。特にこれと言って変わった様子も無い。
で、シーンとした和室を二人して突っ立ってあちこち照らしていたんだが、急に「ズズズ」「ズズズ」と軋む音がした。
「ザーザー」っと何かが擦れる音もする。
「はいはい。怖くねーから。ビビらそうとか思ってる?」って連れが言う。
「それはこっちのセリフだ」とか何とか返してるとまた「ズズズ」「ズズズ」「ザー」「ザー」と音がする。
何だ?と思い、音のする方へ二人して懐中電灯を向けると、和室の押入れの襖が「ズズズ」っと勝手に開きだした。

音で気づいて襖を照らすと、ガリガリにやせた坊主頭が青白い顔だけだしてこっちを見てる。
懐中電灯の光で照らされた「坊主頭の青白い顔」これには二人ともビビった。
「マシニスト」って古い映画があるが、チラシにあるように手を横に開いてるあんな感じだよ。