雨に濡れるので1000円札を持ったまま店の中に入り、どうしたものかと思ってると、
丁度、良く知ってる知り合いの店員を見つけたので近づき、声をかけてこう言った。
「1000円札が外に落ちてたんだが、多分子供が落としたものだと思う。クレヨン買いにくる子供が居たら聞いてみてよ」
店員は「知り合いの子ですか?」と聞くが、「違うけど、来なきゃ落とし物で良いんじゃ無い?」と言って
そのまま店員にその1000円を預け、その後、ボールペンを買い自動販売機でコーヒーを買ってそこを後にした。

1時間ほどしてスマホが鳴った。店員だった。親御さん同伴で半べそかいた女の子がクレヨンを買いに来たと。
店員が言うには、母親曰く、店の近所に住んでる子で、一人で雨の中買いに行かせたが、
途中でお金を落としてしまい半べそかいて家に帰ったらしい。
事情を察した店員はその1000円札を母親に渡して再び持ち主の元に戻った。それをスマホ越しに聞いていてこう思った。

女の子は新しいクレヨンが欲しくて、嬉しくて、よほど強くお札を握りしめてたんだろうと思う。
その子は大人になって能力者になるだろうか?純粋な思いを自然に物に込めるとは。「念」だね。子供恐るべし。