小さい頃住んでいたマンションの隣に古い倉庫やプレハブ小屋が置いてある空き地があった
隠れんぼや鬼ごっこするのにちょうどよくてよく遊んでいたんだけど、ある日プレハブ小屋の周りを何周かグルグルっと回ったら一緒に遊んでいたはずの友達がいなくなった
自宅に帰るといるはずの母親がいない
世界から誰もいなくなったように静かで車通りの多い道路なのに車も通らない
異世界にきてしまった、戻らなきゃと本能的に思ってプレハブ小屋の周りをさっきと逆方向にグルグルっとまた何周かしたら、友達の声が聞こえた
○○ちゃんどこ行ってたの?と聞かれて今起こったことを話した
友達はえーそんなんある訳ないじゃん、私ずっとここにいたしと言って信じた様子はなかった
しばらく怖くて空き地には近付かないようにしていたら空き地には市民会館のようなものが出来て例のプレハブ小屋は撤去された

それから30年近く経って、あのとき一緒に遊んでいた友達と会ってお茶をすることになったんだけど(その友達は当時同じマンションに住んでいて今はもう引っ越ししたけど母親同士の付き合いがまだある関係で)
○○ちゃんと隣の空き地で遊んでたとき急にいなくなったと思ったらいつの間にか戻ってきて変なこと言ってきたことがあったよね、と言われた

変な世界に行っちゃった出来事は覚えていたけど、もはや夢だと思っていてまさかのここにきて友人がそんな事言い出すとは思わずめちゃくちゃ驚いた

本能的に戻らなきゃ、と行動しなかったらどうなっていたんだろう