1980年代末にバブルがはじけたことで始まった日本の長期不況は、
21世紀に入って回復の兆しを見せた。
しかし「失われた10年」では終わらず、現在まで続いている。
世界の富の16%を占めていた巨大な経済、組織化された既得権、
日本特有の政治リーダーシップと資本主義メカニズムは、
一時は日本の発展の原動力だったが、金融危機へ対応する際には足を引っ張った。
折しも発足した民主党政権は経験不足をあらわにし、わずか3年で退陣した。
中国との間で起こった領土対立に敗北したことで、
もはやアジアの先導国家ではないという事実が明白になり、
東日本巨大地震の後、日本国民は政府を信頼しなくなった。
日本の全盛期は過ぎ去り、二度と大きな野望を抱くことはできない。