ママー「あああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!(ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ!!!!!!ブツチチブブブチチチチブリリイリブブブブゥゥゥゥッッッ!!!!!!!)」

黒い霧のようなものがママーの腹部から舞い上がると、胎児の様な形状となって空中を漂い始めた
それは「胎児の幽霊」だった
ママーは妊娠していた。しかし、お腹の子はママーの胎内で死んで流れてしまい、幽霊と化して現れたのだ
この世に生まれることも出来ずに幽霊となった我が子を見上げ、ママーはただただ嘆き悲しんで絶望した
しかし通常の幽霊は生者を襲う恐ろしい存在なのだが、奇妙なことに、ママーの目の前に現れた幽霊はママーを襲おうとはせず、静かに宙に漂い続けた
そして雨が上がると、胎児の幽霊は大きな鳴き声を上げ始めた

胎児の幽霊「あああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!(ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ!!!!!!ブツチチブブブチチチチブリリイリブブブブゥゥゥゥッッッ!!!!!!!)」

すると、駆け付けていた救助隊が赤ん坊の鳴き声を聞き付け、「この下に赤ん坊が埋まっている!」と瓦礫を掘り返し始めた
その瞬間、ママーは悟った。「この子は、母親である私の命を救うために、自らの命を捨てたのだ」と
ママーは救出されて一命をとりとめた
しかし彼女は都市で他の人々と一緒に暮らそうとはせず、あの瓦礫の山の下へと移り住むと、その場所で地縛霊となった我が子の幽霊と共に暮らしていくことにしたのだった