ロシアつながりでソビエト時代のアネクドート(政治系小噺)

当時は共産主義国家で、資本主義始め自由な政治経済批判などは統制され
どこにでも盗聴器が設置されて多くの知識人が口を滑らせては連行される、
いや大した事を言ってないはずでもほぼ濡れ衣で連行される時代だった
よく知らない人は今の某半島北部の将軍様の国あたりの雰囲気を想像してほしい

あるホテルで四人の男が相部屋になった
三人は夜中まで酒を飲み散々雑談して騒ぐが、一人は眠れなくて困った
そこで共用トイレに行くふりをして部屋を出て、フロントへ行き
自分達の部屋へ茶を持ってきてもらうよう注文した

そして部屋へ帰ると、三人がまた騒いでいる横でおもむろに
大きな灰皿を少し持ち上げて「同志、茶をお願いします」と言った
騒いでいた三人は不思議に思ったが、
数分後に本当にホテルの者が茶を持ってきたではないか!

きっと灰皿に盗聴器が仕掛けてあったのだ、この男も政府側の者かもしれない
口を滑らして迂闊な事を言ったら秘密警察に捕まってシベリアへ送られる
三人は震え上がって静かになり、くだんの男はぐっすり眠る事ができた
(※同志…ソビエトでは政府や共産主義のために働く者同士をこう呼び合ってた)


ところがくだんの男が翌朝目を冷ますと、例の三人がいない
ホテルに聞いてみると、三人とも夜明け前に秘密警察に連行されたと言う
「あなたの事は見逃すとおっしゃっていましたよ
何でも灰皿を使ったジョークで笑わせてもらったからって」

灰皿には本当に政府側の盗聴器がついていて彼の機転も筒抜けだったのだ
うるさいだけの善良な男三人を人生狂わせてしまい、彼は震えた