洒落にならない程怖いかどうかは人次第

その日夜遅くまで残業した俺はたまには豪勢にするかと閉店間際に入った
店に入った一瞬で怖気が走ったのは店主がものすごいアイコンタクトをとってたから
そうして俺の耳にはいってきたのは座敷席からこぼれてくる大声
随分酔っているようでろれつが確かでなかったが
とある凶悪事件の際のレイプと哀願する人間を拷問のように殺す際の快感
大人になってなければもうひとりやりたかったよなと大笑いしていた
つまり実在のかなり有名な猟奇殺人事件の犯人たちの開くドウケツカイという催し
意味はわからんがわかりたくもない

当時の俺は余りの内容に遺族でもなんでもないが怒り心頭
すぐさま新聞社などに連絡をとった
多くが早々に見切りをつけたが最後までスクープ欲しさに粘った週刊誌があった
ここも結局のところ張り込み取材を大分やったあとで
報復に社の襲撃が極めて高い確率であうから掲載が不可となったということだった
当然のことながらそこまでの事態になれば
襲撃犯に情報提供者を教えてでも人質にされた同僚を解放してもらうことすらあり得る
やりたいのならやってもいいが俺はお前たちを守るためなら情報提供者を犯人に教えるぞ
上司がこういうふうに言うので聞かなかった事にするしかないと頭を下げられた
あやうく膀胱の中身を撒き散らすところだった

ラーメン店は店主の意向で遠くで再スタートとなった
情報が同じ時にいた他の客から地域に広がるにつれ
その地域の多くのアパートやマンションの大半から明かりが消え俺もその最中に転居
土地持ち一軒家で逃げられない人だけが残ったとは思う
その後きになってその地域の物件を借りる気もないのに調べてみると
家賃も何もが元々の1/5にもならずに大量の空室が見つかった
たった一人の凶悪な猟奇事件の加害者が住んでいる事が判明しただけで
地価も何もが大暴落なんてのをみたのは後にも先にもあれっきり

その同穴会をやっていた連中はそれぞれ別の罪で逮捕歴がついている