>>648

この世に起こらぬことはない。この世で絶対に起こりえないことって、あるだろうか。
世の中には、人びとが確率ゼロだと思いこんでいるけれども、、
じつはそうではなかった、という事件がときどき起こる。
こういうのは「確率イコールゼロ」なのではなく、「確率イコール無限大分の一」という現象なのである。
無限大分の一は、数学的にはゼロとしてあつかわれるが、事実上は限りなくゼロに
近いことをあらわしている。たとえば、的を矢で射たところを、もう一度寸分たがわずに射る
ことができるか?確率的に計算すれば、的は面積をもっているが、矢の
あたった点は面積が無限に小さいから、確率としては無限大分の一、すなわちゼロとなる。
しかし、われわれの経験からくる想像によれば、奇跡的に同じところに矢を
あてることは、絶対不可能ではない。こういう、起こるはずのない事件が起こるのは、この世に「マックスウェルの理論」が存在するからだ。
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マックスウェルの理論は、奇跡を呼ぶのである。
コインを投げて表か裏をあてっこして遊んでいる子どもが、思わずびっくりするようなこともする。
つまり、投げたコインが偶然に立ったりするのである。
マックスウェルの理論は、確率論の基本的な公理を根本的にくつがえすことができる。
マックスウェルの理論は、大宇宙の真理をもひっくり返してしまうほどのパワーをもっている。
マックスウェルの理論では、盆から水がこぼれ落ちても、あらあら不思議、こぼれ落ちた水の分子が
ぴょんぴょんとはね、もとの盆の中に飛びこんでしまうのである。
あるいは、こぼれた水の分子がいったん蒸発して、そのすべての分子が雨となり、
すべて偶然にもとの盆にもどってくる、などという無限大分の一の確率でありうる。