ルディ・コランダーは偽りの人生を歩んできたと語り、ゼヴに抱擁する。ゼヴは不快げにそれを拒否し、おまえはオットー・
ヴァリッシュ、アウシュビッツで私の家族を殺した男だと語ると、ルディ・コランダーは困惑する。それを、グロッグで脅しつけて
白状させようとしているところへ、朝食の準備が整ったと呼びに来た孫娘、父親を捜しに来た息子と案内してきた娘がやってくる。
家族の前となり、どうしても口にすることをしないルディ・コランダーに、ゼヴは孫娘に銃口を向けて促す。観念したルディ・コランダーは
自分はアウシュビッツの囚人ではなかったと告白する。SS隊員で、ホロコーストに関わった殺人者だと。そして自分の本当の名前は
クニベルト・シュトルムだと言う。ゼヴはおまえはオットー・ヴァリッシュだろうと迫るが、クニベルトはそれはおまえの名だと告げる。
おまえが言い出した名前だ、自分たちはゼヴ(ヘブライ語で狼)だとおまえが言った、互いに番号を刺青し合ったから、腕の番号は二人で
連番になっていると。ゼヴ、オットー・ヴァリッシュは引き金を引いてクニベルトの腹を撃ち、思い出したとつぶやいて、今度は自分の
頭を撃ちぬく。

老人ホームでは上記のことがニュースとなり、入居者たちが見ている。ゼヴに同情して、「きっと認知症で自分が何をしているか
わからなかったんだろう」と語り合う。しかし、マックスは「わかっていたさ」と言う。ゼヴが殺した男の本当の名はクニベルト・ハニンガム、
ゼヴの本名はオットー・ヴァリッシュ、どちらも、アウシュビッツで私の家族を殺した男だと言って涙を流す。


ゼヴの買う銃がグロッグで、ヒトラーの生まれ故郷で生まれた銃(マックスがすすめられたもの)だったり、ゼヴが弾く曲が
ワーグナー(ヒトラー、ナチが好んだ作曲家)だったり細かいところまで後味が悪い。