ミステリーボニータか何かで読んだ話。

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夜、意識のない息子を連れて車を走らせる主人公。
息子は事故で頭に大怪我をし、もはや手の施しようのない状態だった。
そんな息子を主人公は病院から連れ出し、かつて祖母が住んでいた村へ連れて行く。
この村の外れにある神社には神様がいて、どんな怪我でも治してくれるのだ。
事実、幼い主人公が手にひどい怪我をした時も、神様のおかげですっかり治っていた。

後日、奇跡的に回復した息子が退院し、家に帰ってくる。
「まさかこんなに元気になるなんてな。お前がこの子を黙って病院から連れ出した時は、どうなることかと思ったよ」
そう言って喜ぶ夫に、「母の愛は強しよ」と微笑む主人公。
息子は後遺症もなく、小学校にも元気に通うようになり、誰もが安堵する。

ある日、息子と一緒に風呂に入っていた夫が火傷をする。
頭を洗っている時、シャワーから突然熱湯が出てきたのだ。
「すぐ止めたから大したことないよ。お湯がかかったのが俺で良かった」
そう言う夫だが、主人公はなんとなく嫌な予感を覚える。
一瞬、死んだ祖母の言葉が頭をよぎる。
ーーーーーあの神社の神様はどんな怪我でも治してくれる。ただ・・・・・

小学校で友達と遊ぶ息子。
「元気になって良かったね。大怪我したなんて信じられないくらいだよ」
そう友達から言われた息子は、「嘘じゃないさ。見てみる?」と返す。
影だけで、息子が自分の頭部を胴体から外してみせる様子が描かれる。
夜、友達の一人が親の前で呟く。
「今日、〇〇君(息子の名前)の怪我を見せてもらったの。すごく怖かった」
「そんなこと言っちゃいけません。大怪我だったんだから、傷が残っていて当然でしょ。優しくしてあげなくちゃ」
「でも、〇〇君、首が・・・・・」