30年ほど前、転勤で秋田県の大館市に引越しをした。
大館市は「きりたんぽ」が有名で、秋には「きりたんぽ祭り」が開催されていた。
会場では「比内地鶏のつかみどり」というイベントがあり、私の二人の子供も参加した。
やっとのことでそれぞれ一羽ずつゲットして家に持ち帰った。
一軒家を借りていたので庭に鶏小屋を作り、ペットとして飼った。
それぞれに名前も付け、子供たちもかわいがっていた。
たまたま捕まえたのは雄と雌だったので卵も産んでくれた。

2年が過ぎた頃、又転勤を命ぜられた。
今度の転勤先はどうしても鶏を飼う環境では無かったので、
かわいがった二羽の鶏も手放さざるを得なかった。
幸いにも近所の子供の友達の家が貰ってくれることになった。

転勤先への引越しも終えて一か月が過ぎた頃、
子供達が置いてきた鶏のことが気になったので友達の家に電話を入れた。
「鶏の○○ちゃんと○○ちゃんはどうしてる?元気?」
そしたら友達からこう言われたそうだ。


「うん。美味しかったよ〜」

                      以上