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>魔術樹形
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/b/bc/Haeckel_arbol_bn.png/800px-Haeckel_arbol_bn.png
エルンスト・ヘッケルの描いた植物界の系統樹
私たちはもともと「系譜」とか「系図」あるいは「系統」が大好きです。
日常生活の中でも、出身地や家系あるいは出自が論議の的になることは少なくありません。
それは人間だけにかぎったことではなく、他の生きものや食べものはもとより、
思想や文化、そして銘柄や競馬にいたるまで深く浸透しています。
系統図は図示のための手段である。系統樹を描くことにより何がわかるのでしょうか。
系統樹思考はまずはじめに「何が相互に由来関係があるのではないか」という
問いかけをします。ちょうど、さまざまな生物を前にした進化学者たちが「これらの生物の間には
進化的な類縁関係があるのではないか」と考えるのとまったく同じ思考態度であり、
ものの見方です。もし実際に「由来関係」の背後には過去からの系譜の流れがあるわけです。
そして、その流れに沿ってさまざまな特徴の変化のありさまをたどることができるでしょう。
つまり、系統樹はさまざまなもの(生物・無生物)を系譜そって体系的に理解するための
手段です。私たちは生物にしろ無生物にしろ、雑多なものをそのまま呑み込んで理解
できるだけの能力をもち合わせていません。とにもかくにも対象物を分類し、
小数のカテゴリーにまとめようとするのは、そうしなければ多様な相手を
理解できないからです。人間は誰でも無意識のうちに認知分類をしてきたし、
今でもしています。