小学生の頃、同級生に変な趣味のやつがいた 名前をAとする
Aは切手収集が趣味だった。
切手収集だと比較的普通の趣味に思えるだろうが、Aは使用済みの切手を集めてて
その切手にキャラ設定をしていた。
これは強い、これは弱い、これはやさしい、これは可愛そう、これはスケベ みたいな
他のみんなも変なやつだとは思いながら面白がって自分ちに届いた使用済みの切手を
Aのところに持っていってはどんな切手かAに鑑定(?)してもらってそのままAにあげたりしていた
そんなAが正月明け、始業式からずっと学校を休み続けた。
2週間後にやっと学校に登校してきたが、ぽっちゃり気味だったAがげっそりと痩せていた
みんなも心配で「もう大丈夫?」「どうしたの?」って聞いてたらAは
「集めてた切手が全部死んじゃった みんなからもらった切手も死んじゃった ごめん」
と泣きながらみんなに謝った
もちろんみんなは意味がわからないので戸惑ったが、「俺たちには謝らなくていいよー」といいつつ
なんで死んだのか聞いてみると、正月にAに届いた年賀状のせいらしい
当時の年賀はがきは40円から41円になった最初の年賀はがきだった
その41円の年賀はがきに必要もないのに上から40円の切手と1円の切手を貼って匿名で送られてきたようだ
その切手が他の切手を殺し、40円切手と1円切手も自殺してしまったそうだ
当然聞いてたみんな意味は全然わからなかったが、元々Aは変なやつだったわけで適当に慰めた
この年賀状の件が相当堪えたのかAは切手収集をやめたようだ
その後は元気になりげっそりになった体ももとのぽっちゃりに戻っていった
それから1年ぐらいして他県に転校して行ったので今はどうしてるかわからないが、
俺があの匿名の年賀状をだしていなかったらAは今でも切手収集していただろうか?