数年前ある田舎町に行ったときのこと (以下登場人物は仮名です)
人と顔を合わせるたびに声をかけられた
「あれクリちゃんじゃないか?どこ行ってた?」「あ、すまん人違いだった」
何度もそんなことがあり気味悪かったが 余程俺とそっくりの人がいるのだろうと納得してた
腹が減ったので町の飲食店に入った 店に入るや自分の母親ぐらいの世代のおばさんが
「あら クリちゃんじゃないかい ちょっとユウジ クリちゃんが戻ってきたよ」
と俺が否定する間もなく厨房へいった
俺と同世代らしきユウジと呼ばれたその男は俺の顔を見るなりキョトンとした顔をして
「この人クリちゃんじゃないよ 男の人だし」
おばさんもあれっとなって「ごめんなさい 人違いだったわ」
「お客さんすみませんね 母さん・・・男の人をクリちゃんと間違えるなんてー」
取り敢えず飯を注文し、町に入ってずっとクリちゃんに間違えられた話をしてみた
ユウジさんは間違えようがないのに信じられないって感じで
おばさんも今となっては自分が間違えたのは変だし他の人もなんで間違えたんだろうと不思議そうだった
そしてクリちゃんについて話してくれた
クリちゃんはユウジさんと同学年の幼馴染だったようだ ちなみに俺とも同学年だった
10年ほど前にクリちゃんは隣町の男と結婚するはずだったが
相手の男が結婚式の数日前に交通事故で死亡 クリちゃんは悲しみのあまり塞ぎこみ半年ほどたって行方をくらましたそうだ
「そういえばクリちゃんがいなくなったの今頃よね」とおばさん
「ん?ああ、丁度10年前の今日だよ あいつの誕生日でもある○月○日・・・」とユウジさん
「えっ 俺と同じ誕生日・・・?」  そうその日は丁度俺の誕生日でもあったのだ
それに二人もびっくり おばさんが「あーだから私もみんなも間違えちゃったのかしら」
「いやいや 誕生日が一緒なだけで男と女間違えないでしょw」とユウジさん もっともだw
そのあとも変だねーとか言いながら おばさんは店の奥にいき 俺は飯を済ませ
会計のときユウジさんがレシートの裏に家みたいな模様を書いて俺に渡した
「これでクリちゃんとは間違えられませんよ ありがとうございました〜」
その後は町を歩いてもクリちゃんと間違えられることはなかった

色々謎の多い不思議な体験