それから大学入って二年になろうかというときに、借りていた店舗が前の店主名義になっており、その方がなくなって相続で揉めてるんで出ざるを得ないという話になった。
そこからあまり離れていない場所に新しい店舗が見つかったのはまもなくだった。最初に書いた通り、下は事務所、上は住まいという物件。聞けば上の住まい部分はとある宗教団体が道場で借りていたという。団体名はま◯かりっていってたな。
急遽住まいにしたのでだだっ広い部屋を適当に間仕切りしたような作りで、自分は10数畳あるような部屋を使っていいと言われた。
引っ越したばっかのときは布団をど真ん中に敷いて、頭のちょっと上に段ボールの上にテレビ置いただけの殺風景なもんだった。気持ち悪かったのはカーペットが真紫色で、麻原彰晃の服みたいで、冗談ぽくここオウムだったんじゃねwとか言ってた。
そんな部屋に移ってから異変はすぐに起きた。寝る時間になるとラップ音がする。古い物件だから家の軋みかと思ったんだが、そういう音じゃない。手を思い切り叩いたような音が部屋のあちこちからするのよ。