長男「ねぇパパぁ、暴力ってダメなんでしょ?」
父「暴力はダメだ」
長男「じゃあなんで桃太郎やアンパンマンは暴力をふるってもいいの?」
父「守る為に振るう力は暴力ではない。
俺はお前が鬼に殺されそうになるのを見たらその鬼を殺すだろう。
お前が死ぬくらいなら喜んで警察にでも捕まるさ」

長男「だったら僕はやられてもいいよ。パパが悪い人になるのなら、僕は死ぬほうがマシだ。
ママは守ってほしいからママのためなら僕も一緒に戦うけど――なんかそこは矛盾してるかもしれないけど――
やられるのが僕1人だけなら僕は死ぬよりパパが悪い人になるほうが嫌だ」

次男「ちょっと待って!聞いてたけど、お父さんもお兄ちゃんも間違ってるよ!
お兄ちゃんは死んじゃいけないし、お父さんは警察にも捕まっちゃいけないの!
お父さんは鬼をやっつけて警察も殴り飛ばしてねじ伏せて『俺が正しいんだ!』って言って黙らせるの!
お父さんはいつも『何があってもお前たちは俺が守る』って言ってるけど
捕まって刑務所に入ったら僕たちは犯罪者の子供になるんだよ?僕たちが大人になるまで側にいることも出来なくなるんだよ?
それで守ったことになるの?
『守る為に振るう力は暴力ではない』んでしょ?お父さんは正しいんでしょ?
お父さんが正しいならお兄ちゃんも守ってお父さんを捕まえようとする警察もぶっ飛ばして警察にも裁判所にも国も誰にもがお父さんが正しいと認めさせてよ!」

父「そんなことできるわけないだろ……」

長男「言いたいことは分かるけどさ……」

次男「そんなの許さない!正しいなら誰にも何にも負けちゃいけないの!
できないっていうなら、お兄ちゃんを殺す鬼が正しくて、その鬼を殺すお父さんが正しくて、そのお父さんを捕まえる警察が正しいってこと?
お兄ちゃんを守ったお父さんを捕まえる警察が正しいってこと?そんなの変だ!」

あなたが父親ならなんと返答しますか?
注)
鬼はヒトとして扱うものとする。
父は初めから鬼を殺す以外の選択肢を考えていないので法的に正当防衛は認められないと考えられる。