『薬屋のひとりごと』というweb小説の「蜂蜜」というエピソード

皇帝が妃に世継ぎを産ませるための施設「後宮」(日本で言うところの大奥)を舞台に、人浚いに捕まって後宮に侍女(下働き)として売り飛ばされた元薬屋の主人公が、持ち前の毒薬に関する知識で活躍していく物語

幼い妃Aの料理に毒が盛られていたことを主人公が発見したことで、後宮内では犯人探しが始まる
主人公は独自に調査を行い、犯人を突き止める
犯人は高年で子供のいない妃Bに長年仕えていた侍女頭
侍女頭の犯行の動機は2つ有った
1つは、後宮を追い出されそうになっている妃Bの地位を守るため
もう1つは、かつて冒してしまった罪を隠すため
昔、妃Bは難産により子供を産めない体となり、産まれた子供も暫くして死んでしまった
子供の死因は不明とされ、難産だったからとか担当医がヤブだったからだとか囁かれていた
しかし実は子供の死因は蜂蜜が原因のアレルギーか何であり、その蜂蜜を子供に与えていたのが侍女頭だった
Aが妃として後宮にやって来ると、妃Bと非常に仲良くなった。幼くして親元から引き離されたAと、我が子を失った妃Bは、共依存の関係となったのだ
しかし妃Bは蜂蜜に関するアレルギー体質であった
アレルギーという存在を知った侍女頭は、子供の死因が蜂蜜にあったことを悟ると同時に、「妃Bにも気付かれるかもしれない」と恐れを抱いた
こうして侍女頭は妃Aの暗殺を企てたのである
主人公は密かに単独で侍女頭に会いに行き、「極刑は免れないだろう」とした上で、「蜂蜜」に関する真相を伏せて自首するよう説得した
侍女頭は自首し、「妃Bの地位を守るためだけに暗殺を企てた」と証言した
その後、妃Bは後宮から追放された。妃Bの追放は、新しい妃が来た事や今回の事件とは関係無く、以前から皇帝自身によって予定されていたと語られる
(余談だが、妃Bの子供が死んだ際、当時の担当医はヤブ医者の烙印を押され、片足を破壊されて後宮から追放されていた。その医者は歓楽街に移り住んで薬屋となり、孤児だった主人公を養子として引き取って、体を売ったりしなくてすむように薬学の知識を与えて育てていた)