それで、実際的方法としては、クインビー博士は患者の額に軽く手を触れて
みずから精神を統一し、次のごとく厳かな口調でいうか、念ずるかしたので
あります。「聖書にいわずや、神すべての創造りたまいしものははなはだ
善しと観たまえりと。神は人間を神の相に作り給いて、これに万物を支配
せしめ給うたのである。

だからなんじは健全である。神ひとたび善に作りたまえるものは何物の力を
もってするも悪に変ずることはできない。神ひとたび健全につくりたまえる
なんじは何物の力をもってするも病に変化することはできない。なんじが
今病気であるということは虚妄の迷いである。迷いを去れ!

神は今もなお、なんじが健全で完全円満で一切の支配者であるのを観た
まうのだ。」驚くべき森厳な口調が博士の唇からふりそそぐように患者の
耳元に注ぎこまれると、いわゆる不治症といわれたものも、みるみる
よくなってキリストの奇跡もおそらくこのようであろうと思われたといいます。